愛知県岡崎市旧額田町宮崎地区に位置する「宮ザキ園」。緑豊かな山々や清流に囲まれたこのエリアでは、約400年程前からお茶の栽培が行われてきました。農民や武士が健康を維持するため、徳川家康公がお茶の栽培を奨励していたこともあり、この地区の人達はお米の代わりにお茶を年貢として納めていたと文献に記されています。
宮ザキ園は、初代園主・梅村喜六氏が1820年に創業し、200年以上に渡り代々お茶づくりを受け継いできました。古くからこの地区で信仰の対象であった本宮山から湧き出る清らかな水を使い、本宮山界隈で手に入る在来種「本宮」種の茶を、自然農法で栽培しています。茶葉本来の自然な美味しさを引き出す茶葉づくりにこだわり、農薬や化学肥料を一切使用せずに、茶園管理から生産加工までを一貫して行っています。戦国時代から受け継がれてきた歴史あるお茶“宮崎茶”は、明治から昭和にかけて、“宇治茶”、 “川根茶”とならぶ全国の三大銘茶の一つとして重んじられてきました。宮崎地区は三河地方の中山間地に位置し、年間を通じて昼夜の寒暖の差が激しい地域です。この温度差や、周囲の山谷、沢の水が濃い霧を生み、日差しを遮り、お茶作りに適した自然環境を整えています。
豊潤なお茶の香りやまろやかな味を引き出す為には、この宮崎の厳しい自然環境も必要不可欠な要素となり、“宮崎茶”の味にも大きな影響を与えています。また宮崎地区の土質は、茶の味を深みとコクのあるものに育ててくれます。宮ザキ園では、味や品質を保つために毎年の収穫を一番茶のみに限定しています。宮ザキ園では、玉露・煎茶などの緑茶やほうじ茶の他にも、ハーブをブレンドした緑茶やほのかな甘味の「わ紅茶」の開発・販売などを手がけています。日本の四季や環境、風土を活かせるような日本人向けの発酵茶をつくりたいという想いから、発酵時間や乾燥時間に工夫を重ねた“半発酵”にて完成したのが「わ紅茶」です。半発酵で仕上げることで、渋みや苦みが少なくなり、日本人好みのマイルドで優しい味わいが特徴のお茶となっています。
「わ紅茶」の「わ」は、和風文化と人との繋がりの輪を表現しており、飲む人が和を感じながら、和やかなひと時を過ごしてもらえたら、という想いが込められています。
2023/03/14