鳥居(稔)石材店
岡崎の伝統を受け継ぐ
2024.8.22
岡崎の伝統を受け継ぐ
歴史と伝統が息づく愛知県岡崎市の石工団地。
その一角に構える『鳥居(稔)石材店』様は、岡崎の石工業の伝統を守り続ける石材店です。
本日は、三代目である鳥居雄司様と四代目である鳥居輝彦様の親子のお二人にお話をお伺いさせていただきました!
鳥居(稔)石材店様は、どのような石材店なのでしょうか?
灯籠や墓石、お墓の花立やろうそく立てなどの加工・施工を中心に、住宅向けの沓脱石や石の明かり、玄関飾りなども手掛けています。
安価な中国製もありますが、なんといっても岡崎の職人が、岡崎の『石』を使って、心を込めて作っているという点にこだわりを持ってやっています。
岡崎石工団地には多くの石材店がありますが、それぞれ得意なものが違うそうですね。
岡崎石工団地には約40件の石材店があります。
お墓、灯篭、彫刻など、それぞれ得意なものが違うんです。
当店は、お客様のご希望に沿って、お墓や灯籠、彫刻など幅広く手掛けています。
各石材店によって得意なものが異なるように、人によっても違うんです。
おかふるに出品しているものだと父はカエル、私はフクロウの彫刻が得意です。
親子で一緒に仕事をしていらっしゃいますが、親子ならではの事もあるのでは?
以前は一緒に住んでいたので、朝起きてから夜寝るまでずっと一緒でした。
仕事のことだけでなく、プライベートも共有していたので、父と子、親方と弟子という関係性の線引きが難しいこともありました。
父として師として協力しながら仕事していく上で、成長を感じられると嬉しいですね。
4代目はいかがでしょうか。
父から多くのことを学んでいます。
特に、丁寧な仕事ぶりにはいつも感心させられます。
丁寧でプロフェッショナルなところ。
1つ1つの仕上がりが細かいところまできれいなんです。
手作業なのでどうしても同じ顔を作るのが難しいのですが、父が作るものは同じ顔をしているんです。その表情も柔らかくてあったかいんですよ。
石工の仕事で大変なことや、やりがいを感じるのはどんなことでしょうか?
大変なことと言いますと、重さはもちろんですが、自然のものなので同じものが一つとしてない、ということです。
石にはキズや目があるんです。
目というのは石材の業界でよく使われる言葉なのですが、 岩石の割れやすい方向のことなんです。
キズがあればそこで割れてしまうので製品には使えないし、目に沿って道具を使わないと必要な所までとれてしまうこともあるので難しいです。
キズ等で必要な寸法が取れなかった時は小さな小物を作ったりして無駄のないように使っています。
石も限りある資源です。岡崎でもあまりとれなくなってきているからこそ、大切に扱っています。
やりがいを感じるのは、お客様に喜んでいただいた時ですね。
特に、亡くなられた方への想いを込めた作品は、お客様にとっても特別な意味を持つものです。
お客様の気持ちを理解し、それを形にすることができた時は、大きな達成感を感じますね。
これまでで一番印象に残っているものはどんなものでしょうか。
ある場所に亡くなられたご主人様の慰霊碑を立てたお仕事です。
その場所というのが、「自衛隊の駐屯地」
特攻隊で亡くなられたご主人様のために、ずっと慰霊碑を建てたかったそうなのですがなかなか実現せず。
ようやく叶ったタイミングでご依頼いただきました。
奥様と、石が出る山にも一緒に行き、石を選びからご一緒にさせていただきました。
慰霊碑には奥様がご自身で作られた歌を彫り込みました。
建てさせていただいた場所も印象的でしたが、何より印象深かったのは、奥様の強い想いでした。
特攻隊で亡くなられたご主人様への深い愛情が伝わってきました。
今後つくってみたいものはありますか?
今はご依頼自体がだいぶ減ってきていて機会が少ないですが、灯篭を1人で全て作ってみたいです。
灯篭は5つ程度のパーツで作られているのですが、その1つに関わることはあっても、1人で全てを作ったことはまだないんです。
さらに、六面にそれぞれ2体ずつ干支の彫刻を掘り出せるようになりたいです。
まさに芸術作品!
見せていただいた灯篭には6面それぞれに干支が彫り込まれていました。
くっつける作るのではなく、彫りだして作る。
その精緻さに圧倒されました。
4代目が作られた時にはぜひ見せていただきたいです!
鳥居(稔)石材店様は、灯篭以外にも、墓石、石の明かり、玄関飾りなど、様々な石製品を手掛けてらっしゃいます。
石に関することならぜひ、ご相談ください。
ありがとうございました!
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