おかふる

ふるさと創造舎

お米をつくることは 人との繋がりをつくること

2024.10.3

お米をつくることは 人との繋がりをつくること

こんにちは。
おかふる公認ライター、おもしろ創造研究室 室長の岡田です。

今回は、ぬかた(岡崎市額田地区)の山里、 千万町・木下でお米のブランド化・六次産業化に取り組んでいるふるさと創造舎さんに取材に行ってきました。

ふるさと創造舎さんが作られているお米の品種は『ミネアサヒ』といいます。


読者の皆様は、もしかしたら初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。

それもそのはず。『ミネアサヒ』は、愛知県中山間地で極めて少量しか生産していないため、市場にほとんど流通しておらず、稀少価値が高い「幻のお米」と呼ばれているのです。

明るい光沢があり、香り・色・つやが良く、粘りも適度にあり、うま味がぎゅっと詰まっているのが『ミネアサヒ』の特徴なのですが、

今回紹介する『ミネアサヒ』は、標高380m程の山里の美味しい空気、岡崎の水源・乙川の清流に恵まれたぬかた地区でつくられているため、極めて美味なのだとか!


先祖代々お米作りをしてきた荻野家。山里地域で作る『ミネアサヒ』を、より多くの人に知ってもらおうと2018年より千万町・木下で起業した、ふるさと創造舎の荻野嘉美さん。

お住まい近くにある千万町小学校(平成21年に閉校)にも勤められており、この地域と共に暮らしてきました。

お米をつくることは 人との繋がりをつくること

―――なぜ、お米づくりを始められたのですか?

荻野「小学校を定年退職後、地元でもあるぬかたの山里の“宝”を活かした地域づくりに取り組んでいきたいと一念発起し、地域資源でもあった『ミネアサヒ』に目をつけ、ブランド化と六次産業化めざして起業しました。

しかし、お米をつくるだけでは生計を立てていくのは極めて難しい…と、現在の農業の置かれている現実を身をもって知りました。

ですが、なんとか農業の可能性を広げられないかと考え、「三河の山里なりわい実践者」の補助事業を利用して6次産業化に取り組み始めました。

6次産業化は、農作物の生産から加工、販売までを一手に自社で行うのですが、やはり生産に加えて加工と販売までを自身で行うのは非常に大変です。

今は家族で手分けしているのでなんとかやれていますが、一人では本当に大変だと思います。

しかし、新たな取り組みを通して、様々なつながりもでき、今では定期的に『ミネアサヒ』購入をしてくれるファンの方々増えてきました。」

お米をつくることは 人との繋がりをつくること

―――これから取り組みたいことはありますか?

荻野「この地域は水質が非常に良いことは全国的に有名です。

また、私がお米を作っているエリアは上流にあるため「下流につながる水を汚してはいけない!」と思い、今は農薬を使わないお米づくりに挑戦しています。

農薬を使わない分、雑草も生えやすいため、通常以上に田んぼの手入れをしなくてはならないので、思っていた以上に労力がかかっています。

しかし、農薬を使わないことで、新たな効果も顕れました。

農薬を使っていない田んぼでは、これまで見ることがなかった生き物(オタマジャクシ、イモリ、カルガモ)を見つけることが目に見えて増えました。

また、初期の草取りなどでは、多くの人がボランティアで手伝いに来てくれるなど、人とのつながりも生まれました。」


農薬を使わない田んぼへの挑戦が、結果として人間を含めた生き物の集まる場になったということですね!

荻野さんのお話を聞いていると、田んぼの本来あるべき姿に戻りつつあるのかなというふうな印象を受けました。

また、荻野さんは、教鞭を取られていた経験を生かし、地元の小学校での環境学習も精力的に行われています。

お米をつくることは 人との繋がりをつくること

―――環境学習を通して、嬉しい報告があったそうですね。

荻野「私が小学校で実施した環境学習を通して『ミネアサヒ』に興味を持ってくれた子が、夏休みの自由研究の題材に選んでくれたのです。

『ミネアサヒ』のパンフレットを使った調べ学習であったり、さまざまなお米を食べ比べしてみたり、小学生ながらしっかりとまとめられた研究でした。

結果として、その子は『ミネアサヒ』が一番美味しかったと報告してくれたそうで(笑) こういう報告は本当に嬉しいですね。」


農家として、そして教員として、非常に心温まるエピソードですね。

それでは最後に、将来に向けた展望についてお米作りだけではなく、地域のことについても伺ってみました。

お米をつくることは 人との繋がりをつくること

―――今後の展望について、教えてください。

荻野「農薬を使わない栽培方法には今後も積極的に取り組んでいきたいと考えています。

また、これまでにお米作りを通して繋がった方々とのご縁も大事にしつつ、もっともっと山里の魅力を伝えていきたいです。

最近、岡崎市として額田地区を中心とした「オクオカ」を盛り上げようという動きが出てきました。

それに伴ってか、林業や農業に取り組む若い世代が増えてきたという実感があります。

そんな、若くてエネルギーのある方々と力を合わせてこの地域を守っていくことができればと思います。」


こちらの記事を読んで、「ふるさと創造舎」さんのつくる「ミネアサヒ」が気になった方は、是非おかふるホームページからご購入くださいませ!