株式会社まるや八丁味噌
江戸時代から守り続けるまるや八丁味噌の伝統の味
2023.3.14
“まるや八丁味噌”の歴史
八丁味噌メーカーの老舗「まるや八丁味噌」は、延元二年(1337年)に醸造業から始まり、江戸時代から始めた八丁味噌造りの伝統の技と味を今日まで守り続けています。八丁味噌の名は、愛知県岡崎市にある岡崎城から西へ八丁(約870メートル)の距離にある八丁町(旧八丁村)に由来しています。
この地は、矢作川の舟運と旧東海道が交わる水陸交通の要所でした。江戸時代には土場(船着き場)・塩座(塩の専売)があり、舟運を利用して原料の大豆や塩を調達し、味噌の出荷ができました。また、矢作川の良質な伏流水にも恵まれ、八丁味噌造りに適した条件が揃っていたことが、ここ八丁町での味噌づくりのはじまりです。
伝統を守り続ける“まるや”の八丁味噌づくり
八丁味噌は江戸時代初期より、旧東海道を挟んで向かい合った2軒の老舗の伝統製法を用い、米麹や麦麹を使わず原料の大豆全てを麹にした豆麹で作られる豆みその銘柄です。
蔵の中で直径・高さともに6尺もある木桶に仕込み、3トンもの重石を石積み職人たちの手で円すい状に積み上げる伝統の技。そして大豆と塩と水のみを使い、人の手を入れず二夏二冬かけて熟成させ、自然の摂理にただ従うという昔ながらの伝統製法を守ることで、素材の旨みを引き出した昔と変わらぬ伝統の味が生まれます。大豆の旨味を凝縮した濃厚なコクと少々の酸味、渋味、苦味のある独特の風味が特徴です。
この八丁味噌が、名古屋・三河地方の代表的名物グルメ、味噌煮込み、味噌カツ、味噌おでんなどの原点となっています。
工場見学で八丁味噌の魅力に触れる
まるや八丁味噌では工場見学も随時行っており、ガイドさんがアットホームな雰囲気で製造所内を案内してくれます。広い蔵内に歳月を重ねた味噌桶が立ち並ぶ姿は圧巻です。3トンもの重石を円すい型に積み上げるのは職人技で、石積み職人として一人前になるまでには数年かかるとのこと。
見学の最後には、八丁味噌が決め手の「みそだれ」でコンニャク田楽の試食もでき、直営の売店では八丁味噌や赤だし味噌はもちろん、様々なお土産の販売も行っています。製造所内に流れるゆったりとした時間と香りの中で、味噌蔵ならではの風景をお楽しみいただけます。
【工場見学受付時間】
9:00-12:00、13:00-16:20
(定休日:12月31日-1月3日)
三河武士も食べた常備食“焼き味噌”
八丁味噌は、大豆と水と塩だけで作られているため、風味を落とさず長期保存が可能なことから、昔から重宝されてきました。戦国時代、味噌は大事なたんぱく質とナトリウムの補給源として携行され、粗食で有名な徳川家康公は、「湯漬け飯」と「焼き味噌」を常食としていたそうです。
当時の焼き味噌の作り方として、「しゃもじや薄い板に味噌を塗り直火で焙る」という方法が用いられていました。まるや八丁味噌では焼き味噌専用のオリジナル焼き皿と八丁味噌のセット販売もしているので、三河武士に想いを馳せながら、当時の食べ方で八丁味噌を楽しんでみるのはいかがでしょうか?焼いた味噌は香ばしい匂いが食欲をそそり、酒の肴やおにぎりの具としても大変美味しくいただけます。
年間1桶限定醸造の“三河産大豆と神水仕込みの八丁味噌”
2022年10月、まるや八丁味噌は、こだわりの製法とこだわりの原料を使った、年間1桶限定醸造の“三河産大豆と神水仕込みの八丁味噌”の販売を開始しました。八丁味噌は岡崎の気候風土に育まれた伝統的な地場産業です。育ててくれた地元に感謝し、八丁味噌の伝統を次の世代へ伝えるために、三河の素材で八丁味噌を作る“三河プロジェクト”を立ち上げました。
大豆は愛知県西尾市の「マルミファーム」が丹精込めて生産している、三河を代表する大粒一等大豆“フクユタカ”を100%使用。仕込み水には、岡崎市額田エリアで200有余年の歴史を誇る酒蔵「柴田酒造場」から天然の井戸水「神水」を輸送しており、硬度3の極めて低い超軟水は大豆との相性も抜群です。
まるや八丁味噌が自信を持ってお届けする、厳選した地元の素材のみで作った“三河産大豆と神水仕込みの八丁味噌”を是非ご賞味ください。
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