宝生園
家康が愛した小さなパワースポット
2023.3.13
万年青(おもと)ってなに?
万年青は、日本に自生するスズラン科の多年草です。
葉が常緑で、衰えず長寿であるという意味から「万年青」という名前が付けられたそうです。
オモトという名前の由来は、大分県にある八幡信仰の総本宮、宇佐八幡神宮のご神体「御許山(おもとやま)」のふもとに植わっていた大株の植物という説が有力視されています。
室町時代から飾る文化があり歴史は古いですが、家康が江戸城に入場する際に家臣から献上され、床の間に飾り繫栄を願ったとして一躍有名になりました。
以来、徳川家の繁栄、泰平の世が長く続くのも万年青のおかげと、引っ越しには万年青を贈る風習が現代まで伝わっています。
万年青を専門に取り扱う“宝生園”
宝生園は岡崎市羽根町、JR岡崎駅からほど近いところにある万年青専門店です。
創業明治18年の老舗万年青店で、日本で唯一の女性伝道師、水野圭子さんが4代目をつとめます。
女性ならではの切り口で、広く多くの人に万年青を知ってもらうために試行錯誤の日々です。
温室にいっぱいの万年青!
60坪の温室にずらりと並ぶ万年青。
なんと、だいたい3000鉢くらいあるそうです!
このひとつひとつを、我が子のように丁寧にお世話する水野さん。
万年青愛が伝わってきますね。
鉢にもこだわるんです
万年青鉢と呼ばれるこちらの鉢は、伝統的な製法で造られた“楽鉢”。
愛知県安城市の窯元「愛楽園」、愛知県高浜市の窯元「澤製陶所」で造られています。
万年青鉢の窯元は、実は日本で2軒しかないそう。
そのどちらもが西三河にあり、家康の地元との繋がりを感じられます。
艶のある黒い肌と3つの脚を持つ独特なかたち。
また、焼き方も急冷させることにより、薄くて軽く通気性の良い鉢に仕上げるのが特徴です。
職人が一筆一筆丁寧に、イッチン技法で描く繊細で美しい紋様。
それが万年青の葉の色や形と合わさった時に、初めて万年青の世界は完成します。
「万年青は自分自身を写す鏡」
水野さんは言います。
手をかければその分だけ応えてくれる、万年青は人のような存在。
強い植物なので諦めなければ枯れない、でも過保護にすればダメになる。
本当に人間と一緒ですね。
ちょっとでも興味を持った方、引っ越しの際の贈り物、縁起を担ぎたい時──
どんなときでも、欲しい・贈りたいと思ったときが買い時です。
徳川家康も愛したちょっと面白い植物、宝生園に見に来てみませんか。
LINE公式アカウントも!
余談ですが、宝生園で万年青を購入した方は手厚いアフターケアが受けられます。
LINEの公式アカウントに質問すると、水野さんが丁寧に答えてくれます。
始めて植物を育てるのが不安、という方も安心ですね!